木材の耐久性
木材の生物劣化に対する耐久性は、一般的に耐久成分が多い心材部で高く、糖類やデンプンなど微生物の栄養源となる成分の多い片材部は非常に低い。そのため樹種固有の耐久性は心材の耐朽性(腐り難さ)であり、辺材などの樹種も一様に耐朽性は低いと考える必要がある。
ヒバや台湾ヒノキの心材部には抗菌物質として知られているヒノキチオールなどのトロボロン類が含まれており、これらの樹種の耐朽性は非常に高い。またヒノキにはテルペン類が多く、クリにはポリフェノールが多いため共に高い心材耐朽性を示し、このような副成分を多く含む樹種は一般的に耐朽性が高いといえる。
一方、木材のシロアリに対する抵抗性(耐蟻性)は、材の硬さと心材の化学成分が関与している。代表的な耐シロアリ成分には、サボニン類やサイプレスパインに含まれるL-シトロネラ酸、ヒノキのα-カジノールなどがある。
耐抗性に関しては、木材表面の光劣化によるため樹種による違いは少ない。しかし、風化(目やせ)は密度に反比例するため高密度材や晩材部のほうが風化量は少ない。
劣化はある条件になった場合に発生するものであり、劣化する条件を避けるあるいは取り除くことによって木材の耐久性は大きく向上する。これは各地に現存する歴史的な木造物が物語っている。
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