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エネルギー危機

 全世界で30億の人々は、木、木炭、その他のバイオマス家畜の糞、作物のかす)をエネルギー源としている。

 多くの発展途上国では、特に1/3を占めるごく貧しい人々の国では、薪を見つけて家に持ち帰るのに、ますます多くの時間と労力がかかるようになり、それにつれて、薪は彼らの生活を左右するものになってきた。

 彼らの伐採のペースは、森林の自然回復のペースを上回っており、人口と人口密度の増加によって、問題はいっそう広い地域に及んできた。

 その結果、これまでは豊かな自然に支えられてきた森林の伐採活動も、破壊的な側面が強くなり、ついには将来にわたって伐採を持続していくことが不可能になってしまうであろう。

 実は薪の問題は、発展途上国の貧しい人々が、その日の暮らしを守るために将来の生活を犠牲にせざるをえない状況に置かれている曲型的な例を示している。

 彼らは決して無知ゆえに伐採しているのではない。悲しいことにそうせざるを得ないのである。もしも薪を買わなくてはならないとしたら、その価格は家庭の現金収入の大部分を占める恐れがある。今日では調理用の燃料代が食事の材料を調える費用と同じぐらいかかるという家庭がたくさんある。

 毎年全世界で伐採される全森林の半分以上は、調理用、暖房用として使用されており、発展途上国では約90%を占めている。薪と木炭の生産量は、アフリカで伐採される木の90%以上を占め、アジアでは80パーセント、ラテンアメリカでは70%を占めている。

 薪不足の影響は貧困地域でもっとも深刻で、そうした地域では代用燃料が使用できない、またはまったく手に入らないのである。全世界で20億以上の人が今なお電気のない生活をしている。

 薪と木炭の不足は、特に中央アメリカ、サハラ以南のアフリカ、アジアの一部で深刻である。そして、発展途上国の多くの人々にとってエネルギー危機の問題は、いろいろな電気製品をそろえた家庭で、いかに電力消費を抑えるというような議論とまったく次元が異なっているのである。

 それは彼らが生きていく為の日々の闘いに、直接攻撃を与えるものだからである。

 森林破壊は起こったそばからさまざまな問題をもたらす。ますます深刻になっていくエネルギー危機という大きな問題を解決することができなければ、もうすでに乏しくなっている森林資に斧をふるう人の数は、森林へますます圧力をかけるだろう。

 薪が不足すると更にいくつかの問題が発生する。推定8億人の貧しい人々に家畜の糞のような代用品が必要となり、畑(自然肥料として使用)から家庭(燃料として使用)へ転換すると、作物の収穫量が減少する。

 また人々は作物の残りかすを利用するが、本来は天然肥料や家畜の飼料として使用されるものである。

 薪不足が環境や人間に与える影響は極めて重要である。そして、深刻な事態が長びけば長びくほど、長期的な視野にたった解決策を見いだすことは、ますます困難になってしまうだろう。

           参考文献「65億人の地球環境」(産調出版)

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